税金雑学

インボイス、インボイスと騒ぐ前に「消費税」について知っておこう!


インボイス導入まであと3ヶ月。

世間ではインボイス、インボイスと批判的な声が多いですが、その中でどの程度の人が消費税の仕組みについて理解しているのでしょうか?

「敵を知り、己を知 れば百戦危うからず」

という訳で、今回は「消費税」の基礎について簡単に解説したいと思います。

消費税はいつ導入された?

消費税は、平成元年に導入された税金です。

当時小学生だった私は、ある日突然「駄菓子」が100円から103円になったことを今でも覚えています。

日常生活と関わりが深いので、子供たちにとって最も馴染みのある税金ですね。

消費税は誰が負担している?

消費税は、商品やサービスの「消費」に対して課税される「間接税」です。

この「間接税」というのは、税金を支払う「納税者」がその税金を負担するのではなく、誰かの代わりに間接的に支払っている税金のことを言います。

消費税の場合、税金を負担するのは私たち消費者ですが、実際に納税をするのは商品やサービスを提供する事業者です。

税金を負担する「担税者」である私たち消費者の代わりに、事業者が「納税者」となって間接的に税金を支払っているのです。

消費税以外では「酒税」や「たばこ税」も間接税に該当します。

一方、所得税や法人税、固定資産税などのように税金を負担する人が直接支払う税金のことを「直接税」言います。

消費税の課税対象は?

消費税は商品やサービスの「消費」に対して課税される訳ですが、具体的な課税対象は次のように定められています。

✅国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡及び貸付け並びに役務の提供

✅外国貨物の保税地域からの引き取り(商品の輸入)

2つ目の「課税貨物の~」というのは商品を輸入した場合のお話なので、今回は1つ目の「国内において~」という部分を細かく見ていきたいと思います。

1.国内において

消費税は、日本の税金なので、外国で消費される商品やサービスには消費税はかかりません。

2.事業者が事業として

消費者は、「事業者」が「事業として」行った取引に対して課税されますので、一般消費者が私物を友人に売った場合やヤフオクやメルカリで販売した場合には消費税はかかりません。

3.対価を得て行う

消費税は、対価性のある取引に対して課税されますので、無償であげた場合などには消費税はかかりません。

4.資産の譲渡及び貸付け並びに役務の提供

消費税は、商品の譲渡(売買)だけでなく、商品の貸付や役務(=サービス)の提供にも課税されます。

なお、これらの4つを消費税課税の「4要件」などと呼ぶことがありますが、どれか1つでも要件を満たさないと消費税は課税されず、このような消費税がかからない取引を「不課税取引」と言います。

不課税と非課税は違う?

先ほどの「4要件」を満たさない「不課税取引」と似た言葉で「非課税取引」というものがあります。

とちらも消費税が課税されないという点では同じですが、この2つは全くの別物です。

非課税取引は、4要件を満たし、本来消費税を課税すべきであるが社会福祉的な理由などにより、消費税の課税を見送っている取引のことを言います。

例えば、5階建の賃貸マンションが1棟あったとします。

1階にはコンビニのテナントが、2~5階は居住用です。

家主である不動産屋は、1階からも2~5階からも賃料を受け取っており、どの階の賃料も「国内において、事業者が事業として、対価を得て行う、資産の貸付け」に該当します。

しかし、居住用の家賃に消費税を課税すると住居費が上がってしまい、消費者の生活費を圧迫することから、賃料のうち「居住用」のものは非課税とされています。

この他、行政サービスや保険医療なども非課税とされています。

4つの要件を満たさないのが「不課税取引」、4つの要件は満たすが、例外として限定的に決められているのが「非課税取引」という訳です。

消費税は、条文数が少ない税法です。

だからこそ、解釈がとても難しい税法の1つです。

課税の4要件と不課税・非課税の違い、この辺りまで知っておけば、消費税実務が楽しくなってくると思います。

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