自動車業界の税務ポイント

新型コロナウイルスの影響で税金が払えない!?納税猶予は?自動車税は?


政府は新型コロナウイルスの感染拡大で資金繰り難に直面する事業者を支援するため、主要な税金の納付を一定期間猶予する内容の追加経済対策を進めているそうです。

既存の税制にも納税猶予等の制度は存在しますが、原則として申請や担保提供が必要とるなど、スピード感に欠ける制度です。(詳細は後述)

とにかく要件や手続きを簡略化した制度を一刻も早く整えて頂きたいと思います。

また、明日4月1日時点の所有者に課税される『自動車税(軽自動車税)』についても、現時点では具体的な経済対策は出ておらず、従来の地方税法第15条(※)に当て嵌めて考えるしかないのでしょうか??

(※)地方税法第15条(徴収猶予の要件等)
地方団体の長は、次の各号のいずれかに該当する事実がある場合において、その該当する事実に基づき、納税者又は特別徴収義務者が当該地方団体に係る地方団体の徴収金を一時に納付し、又は納入することができないと認められるときは、その納付し、又は納入することができないと認められる金額を限度として、その者の申請に基づき、一年以内の期間を限り、その徴収を猶予することができる。
一 納税者又は特別徴収義務者がその財産につき、震災、風水害、火災その他の災害を受け、又は盗難にかかつたとき。
二 納税者若しくは特別徴収義務者又はこれらの者と生計を一にする親族が病気にかかり、又は負傷したとき。
三 納税者又は特別徴収義務者がその事業を廃止し、又は休止したとき。
四 納税者又は特別徴収義務者がその事業につき著しい損失を受けたとき。
五 前各号のいずれかに該当する事実に類する事実があつたとき。

以下、従前より存在する納税が困難な方を対象とした猶予制度の概要をご紹介します。

新型コロナウイルスの感染拡大の影響とは関係なく、個人的に起きた事象を原因として納税が困難になった場合でも、活用可能な猶予制度となっていますので、「困ったときには猶予制度がある」ということを頭の片隅に入れておくと良いと思います。
(この制度は、その要件や手続きが少し分かり辛い制度となっておりますので、国税を納期限までに納付できない場合は、まずは、所轄の税務署までご相談ください。)

2つの猶予制度

国税を期限までに納付しないと、納付するまでの日数に応じて「延滞税」が課されることは皆さまご存知かと思います。

そして、税務署から督促状が送付されてもなお納付しない場合は、財産の「差押え」が行われ、それらを「換価(売却処分)」されてしまいます。
しかし、国税を一時に納付することが困難な理由がある場合には、税務署に申請することにより、この「差押え」や「換価(売却処分)」を猶予してもらうことができるのです。さらに、猶予が認められた場合は、猶予期間中の延滞税の全部又は一部が免除されます。

納税の猶予(差押えの猶予)

次の1から4までに掲げる要件の全てに該当する場合は、納税の猶予を受けることができます。

1.次の①から⑥までのいずれかに該当する事実があること

①財産について、災害を受けたり盗難にあったこと

②納税者や家族が病気にかかったり負傷したこと

③事業を廃業したり休業したこと

④事業について著しい損失を受けたこと

⑤上記の①から④に類する事実があったこと

⑥本来の期限から1年以上経過した後に、修正申告などにより納付すべき税額が確定したこと

2.猶予該当事実に基づき、納税者がその納付すべき国税を一時に納付することができないと認められること

3.申請書が提出されていること(上記1⑥の場合は納期限までの提出)

4.原則として、担保の提供があること

換価の猶予

次の1から5までに掲げる要件の全てに該当する場合は、換価の猶予を受けることができます。

1.国税を一時に納付することにより、事業の継続又は生活の維持を困難にするおそれがあると認められること

2.納税について誠実な意思を有すると認められること

3.換価の猶予を受けようとする国税以外の国税の滞納がないこと

4.納付すべき国税の納期限から6か月以内に申請書が提出されていること

5.原則として、担保の提供があること

なお、ここに記載した制度は、「申請による換価の猶予」といい、このほかに「税務署長の職権による換価の猶予」という制度があります。

担保の提供

猶予の申請をする場合は、原則として、猶予を受けようとする金額に相当する担保を提供する必要がありますが、次のいずれかに該当する場合には、担保を提供する必要はありません。

1.猶予を受ける金額が100万円以下である場合

2.猶予を受ける期間が3か月以内である場合

3.担保として提供することができる種類の財産がないといった事情がある場合

猶予期間

猶予を受けることができる期間は、1年の範囲内で、申請者の財産や収支の状況に応じて、最も早く国税を完納することができると認められる期間に限られており、猶予を受けた国税は、原則として猶予期間中の各月に分割して納付する必要があります。

ただし、猶予期間内に完納することができないやむを得ない理由があると認められる場合は、当初の猶予期間が終了する前に所轄の税務署に申請することにより、当初の猶予期間と合わせて最長2年以内の範囲で猶予期間の延長が認められることがあります。

スポンサーリンク

コメントを残す

*

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)