自動車業界の税務ポイント

第2回:月次決算は重要性が低いってウソ?ホント?


月次決算は重要性が低いって…

月次決算ってなに?

月次決算とは、事業年度末に行う税法や会社法などの法律に基づいた決算とは別に、経営管理のために月々行われる決算のことです。
外部報告を目的とした決算とは異なり、業績管理が主たる目的となりますので、概算計上などの処理方法も取り入れながら業務効率化を優先することも重要となります。

月次決算を行う目的

月次決算を行う目的は、最新の経営状態をタイムリーに把握し、経営判断に役立てることに他なりません。月次決算後の残高試算表は、経営目標の達成率を把握する際や、会社の資金繰り計画を立てる際に役立ちます。

月次決算の付随メリット

月次決算を行う目的は、前述のとおり「経営面」の要素が強いですが、「実務面」においても、月次決算を行うことで次のようなメリットが生じます。
『決算が楽になる』
月次決算には、年次決算(本決算)の前倒し効果があり、年次決算業務の効率化を図ることができます。
『節税しやすくなる』
適正な月次決算を行うことで、早期に年次決算の見込数値を把握することができるため、節税対策を立てやすくなります。
 

月次決算処理のポイント

自動車販売店における月次決算処理のポイントは3つです。
まず1つ目は、必ず月次単位で棚卸計上を行うこと。在庫車1台あたりの単価が一定ではない自動車販売業では、棚卸計上を行って初めて適正な売上原価を把握することができるのです。
2つ目は、預り金・立替金勘定の精査を行うこと。自動車販売に係る実務処理では、自動車税や自賠責保険料など数多くの種類の預り金・立替金勘定を使用します。1年分を決算時にまとめて精査することは大変な作業となりますので、月次決算で行っておくことが重要となります。
3つ目は、減価償却費の概算計上を行うこと。減価償却費というのは、支出を伴わない費用となりますので、日々の記帳業務には含まれません。
本来は、1年分まとめて期末に計上すれば足りる減価償却の処理ですが、適正な経営判断のために、この減価償却費も月次決算で概算計上しておくと良いでしょう。

コラム説明

この記事は、自動車流通新聞(グーネット自動車流通)さんで連載しているコラムの内容を転載したものです。
自動車販売店の経営者や実務担当者が抱く経営・経理・税金に関する様々な疑問について、自動車業界専門の税理士が解説しておりますので、他のコラムをご覧になりたい方は、下記URLより一覧でご確認頂けます。

中古車販売店「経営実務」のウソ?ホント?
http://www.mn-tax.jp/garage/goonet

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