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事業復活支援金はどのタイミングで収益に計上するのが正解か!?(収益計上時期について解説)


新型コロナウイルス感染症の影響で売上高が一定割合減少した中小法人・個人事業者のための「事業復活支援金」の申請期限が2022年5月31日までと迫っております。

まだ申請がお済みでない方は、下記リンクよりご確認をお願いします。

さて今回は、最大250万円が支給される「事業復活支援金」の「収益計上時期はいつか?」というお話です。

結論は「支給決定日の属する事業年度」なのですが、その理由なども交えながら解説していきたいと思います。

収益計上時期の原則的な考え方

法人税という税法は「法人税法22条」が最も重要であると言われています。

法人税法[第二十二条]

内国法人の各事業年度の所得の金額は、当該事業年度の益金の額から当該事業年度の損金の額を控除した金額とする。
2 内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上当該事業年度の益金の額に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、資産の販売、有償又は無償による資産の譲渡又は役務の提供、無償による資産の譲受けその他の取引で資本等取引以外のものに係る当該事業年度の収益の額とする。
3 内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上当該事業年度の損金の額に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、次に掲げる額とする。
一 当該事業年度の収益に係る売上原価、完成工事原価その他これらに準ずる原価の額
二 前号に掲げるもののほか、当該事業年度の販売費、一般管理費その他の費用(償却費以外の費用で当該事業年度終了の日までに債務の確定しないものを除く。)の額
三 当該事業年度の損失の額で資本等取引以外の取引に係るもの
4 第二項に規定する当該事業年度の収益の額及び前項各号に掲げる額は、別段の定めがあるものを除き、一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従つて計算されるものとする。
5 第二項又は第三項に規定する資本等取引とは、法人の資本金等の額の増加又は減少を生ずる取引並びに法人が行う利益又は剰余金の分配(資産の流動化に関する法律第百十五条第一項(中間配当)に規定する金銭の分配を含む。)及び残余財産の分配又は引渡しをいう。

ここには当たり前のことが書かれていて、収入を収益に計上するタイミングは、原則として「その収入すべき権利が確定した日」の属する事業年度となっています。

そして、事業復活支援金については、その支給が決定された日が「収入すべき権利が確定した日」となる訳です。

収益計上時期の例外(特定経費の補填)

原則があれば必ず例外もあります。

という訳で、各種助成金などの収益計上時期にも例外はあります。

法人税基本通達2-1-42
法令に基づき交付を受ける給付金等の帰属の時期

法人の支出する休業手当、賃金、職業訓練費等の経費を補填するために雇用保険法、労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律、障害者の雇用の促進等に関する法律等の法令の規定等に基づき交付を受ける給付金等については、その給付の原因となった休業、就業、職業訓練等の事実があった日の属する事業年度終了の日においてその交付を受けるべき金額が具体的に確定していない場合であっても、その金額を見積り、当該事業年度の益金の額に算入するものとする。
(注) 法人が定年の延長、高齢者及び身体障害者の雇用等の雇用の改善を図ったこと等によりこれらの法令の規定等に基づき交付を受ける奨励金等の額については、その支給決定があった日の属する事業年度の益金の額に算入する。

例外規定の内容としては、その助成金などが「経費を補填するために法令の規定等に基づき交付されるもの」であり、あらかじめその交付を受けるために「必要な手続」をしている場合には、その経費が発生した事業年度中に助成金等の交付決定がされていないとしても、その経費と助成金等の収益が対応するように、その助成金等の収益計上時期はその経費が発生した日の属する事業年度として取り扱うことになっています。

なお、「必要な手続」とは、例えば、休業手当について雇用調整助成金を受けるための事前の休業等計画届の提出などが該当しますが、新型コロナウイルス感染症に伴う特例措置により、事前の休業等計画届の提出は不要とされています。
その場合の雇用調整助成金の収益計上時期は、原則として、交付決定日の属する事業年度となります。
ただし、事前の休業等計画届の提出が不要の場合であっても、交付申請を行っており、交付を受けることの確実性が認められ、経費が発生した日の属する事業年度に会計上も収益計上しているときには、税務上もその処理は認められると考えられます。

事業復活支援金の支給決定日はいつ?

事業復活支援金の場合、交付の際に送付される給付通知書に「支給決定日」が記載されていません。

よって実態に合わせて「支給決定日」を判断していく必要があるでしょう。

入金前に給付通知書が届いた場合

給付通知書が届いた後に支援金が入金された場合には、通知書の到着日を支給決定日とすることで問題ないでしょう。

入金後に給付通知書が届いた場合

給付通知書が届くより前に支援金が入金された場合には、入金日が支給決定日となります。

以上、詳しくは国税庁HP「国税における新型コロナウイルス感染症拡大防止への対応と申告や納税などの当面の税務上の取扱いに関するFAQ」の「4 新型コロナウイルス感染症に関連する税務上の取扱い関係」の「問7 法人が交付を受ける助成金等の収益計上時期の取扱い〔令和3年3月26日更新〕」にてご確認下さい。

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/kansensho/faq/05.htm#q5-7

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