税金雑学

立憲民主党の枝野前代表の「消費税減税は間違い」発言に見る消費税負担の話


立憲民主党の枝野幸男前代表が2021年の衆院選で掲げた消費税減税(税率を5%へ)の公約を「間違いだった」とした発言が波紋を広げているようですが…

そもそも消費税を負担しているのって誰かご存じでしょうか?

いわゆる「企業(事業者)」でしょうか?

それとも我々「消費者」でしょうか?

消費税を勉強したことがある方にとっては非常に基本的な内容となりますが、消費税を語るうえで最も重要なポイントとなりますので、今回は消費税の負担者について解説したいと思います。

政治に対して文句を言うときは、やはり仕組みが分かった方が面白いですからね ( ̄ー ̄)ニヤリ.

消費税の課税対象は?

法人税や所得税は、いわゆる「儲け」に対して課税されますが、消費税は「消費」という取引に課される税金です。

消費には、「物品の販売」や「サービスの提供」などの他、「資産の貸付け」や「飲食の提供」なども含まれ、その範囲は非常に広くなっています。

消費税の負担者は?

税金の数ある分類方法の中に、

・税金を負担する人(担税者)

・税金を納める人(納税者)

が同じであるか否かによって「直接税」「間接税」に分類する方法があります。

直接税とは、担税者と納税者が同じである税金のことをいい、法人税、所得税そして相続税といった身近な税金のほとんどがこれに該当します。

これに対し間接税とは、担税者と納税者が異なる税金のことをいいます。

そして、消費税はこの間接税に該当し、その他にガソリン税やタバコ税、酒税などがこれに該当します。

消費税、ガソリン税、タバコ税、酒税…

知らず知らずのうちに消費者が支払っている税金の大半は「間接税」ということになりますね。

兎にも角にも、消費税の仕組みを正しく理解するためには、この間接税の仕組みを知ることが最も重要となります。

<間接税の具体例>

~お客様(消費者)が販売店(事業者)で税抜100円の商品を購入した場合~

お客様 … 商品代金100円に消費税10%分の10円を上乗せして支払う

販売店 … お客様から受け取った消費税分10円を、後日税務署に納付する

この様な、お客様(担税者)が納めるべき消費税を、販売店(納税者)がお客様から預かった上で、お客様に代わって「間接的に」納付するという流れが、間接税の仕組みとなります。

消費税の納付税額の計算方法は?

事業者が消費者から預かった消費税を間接的に納付するという間接税の仕組みについては前述のとおりですが、納税者となる事業者も、消費者から消費税を預かるだけでなく、仕入代金や外注費などを支払う際に消費税を上乗せして支払っています。

そして、納税者である事業者が納めるべき消費税の額を計算する際には、お客様などから預かった「売上等に係る消費税」から、仕入先や外注業者に支払った「仕入等に係る消費税」を控除して、その差額分を税務署に納めることになっています。

<事業者が納付すべき消費税の計算方法>

消費税の負担と納付のイメージ図

間接税の仕組みの次は、消費税の負担と納付の流れを理解することが重要となります。

ある商品が製造業者から卸・小売を経て消費者の手に渡るまでの流通経路をイメージし、消費税の納付額とその負担額について、整理してみましょう。

A:
製造業者が50,000で商品を卸売業者に販売し、5,000を納付

B:
卸売業者が小売業者に50,000で仕入れた商品を70,000で販売し、売上に係る消費税7,000と仕入に係る消費税5,000の差額2,000を納付

C:
小売業者が消費者に70,000で仕入れた商品を100,000で消費者に販売し、売上に係る消費税10,000と仕入に係る消費税7,000の差額3,000を納付

D:
消費者としては、10,000の消費税を負担したことになる

消費者が負担した10,000という消費税が、納税者である事業者が納付した消費税の合計額(製造業者5,000、卸売業者2,000、小売業者3,000)と一致していることが確認できます。

いかがでしたでしょうか。

今回ご紹介した内容を踏まえて、事業者や消費者といったそれぞれの立場から、是非とも消費税の増税・減税に対する不平不満をぶつけて頂ければと存じます。

もちろんぶつける相手は、私ではなく日本政府までお願いします(笑)

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