DT50レストア大作戦

第10回:DT50 高回転域における突然失原因について考える


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サクっと読みたい方は、ぜひ下記リンクから「総集編」をご覧ください。

 

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我らがDT50が抱えている「7,000回転を超えた辺りで突然エンジンが吹けなくなる」とい失火症状について、これまでCDI、イグニッションコイル&プラグキャップ、パルシングコイルと点火系を司る疑わしい部品は全て新品のヤマハ純正部品に交換してきましたが、症状の改善には至りませんでした。

今後の対応としましては、地道にハーネスとカプラーの清掃や点検を行うこと以外に打つ手は無いのですが、こういった作業を闇雲に行うよりも前に、今回の失火症状の原因について、今一度、考えてみることにしました。

キーワードは「規則性」

今回の失火症状の原因究明のキーポイントは、「失火症状に、ある程度の規則性がある」ということだと思います。

失火原因が、これまで交換してきた特定部品の不具合では無いとなると、残すはリークや接点不良に原因が絞られる訳ですが、こういったリークや接点不良を原因とした失火症状の場合、もう少し不規則に症状が発生することが多いそうです。

実は、今回の症状について、ヤマハサービスに相談と類似症例の照会を行った経緯があるのですが、その際には「リミッターの仕様によるものではない」との回答を得ました。

我らがDT50(3LM2型)のリミッターは初期型の6速センサーによる回転数リミッターではなく、速度センサーでリミッターが作動するタイプだったと記憶しておりますので、ニュートラル時の空ぶかしによる失火症状では、正しい回答だと私も思います。

しかし、今回の失火症状の規則性と、これまで疑わしい部品を交換してきたが症状が改善されなかったという経緯からは、やはりリミッターが作動している可能性が高いと考えざるを得ません。

レーシングCDIの導入を決定

そして、中村さんと今後の方針について相談させて頂く中で、失火原因を「リミッターの誤作動」に絞り、強制的にリミッター解除を行うべく「レーシングCDI」を導入する方針に決定にしました。

もちろん、当初よりレーシングCDIを導入するという選択肢もあったのかもしれませんが、純正部品に拘り、今回の様に順を追って点検作業を進めていくことで、適性な原因究明に繋がるだけでなく、我らがDT50の状態を詳しく知ることが出来るのだと思います。

何事も「結果」だけでなく、「過程」も重要だということですね。

その他の点検箇所(おまけ)

今回の記事は、いわゆる「考察」のみで、具体的な作業は行っていないので、少しつまらないなぁ…と感じた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで、記事にアップしている内容以外で、これまで行った簡単な点検内容を2つほどご紹介させて頂きます。

目視による配線点検

失火症状が確認されて直ぐに、目視による大まかな配線チェックを行っております。

その際に、下記写真のように、配線被膜が擦れて剥けてしまっている部分については、配線テープによる簡易的な補修を行いました。

何分古いバイクですから、配線の経年劣化などによるトラブルも今後は発生する可能性は高いといえます。

目視による配線点検

スイッチ類の点検

これも、失火症状が確認されて直ぐに行った点検作業なのですが、メインスイッチやキルスイッチの不良が失火症状の原因となっていないか、点検を行いました。

具体的には、スイッチでは点火カットがされない配線状態を意図的に作り、症状の発生をチェックします。

もしこの状態で症状が発生しなければ、スイッチ不良が原因ということになる訳です。

いずれも、今回の失火症状の原因ではありませんでしたが、点火系のトラブルシューティングを行う際の参考になればと思い、ご紹介させて頂きました。

次回は、「レーシングCDI」を導入して、失火症状改善を目指します。

乞うご期待!!

DT50入手時写真
写真:DT50入手時の写真(トラック車中より酒井が撮影)

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コメント

  1. 半田 より:

    記事有り難うございました、購入後速度計をYAMAHA車高排気量の物に交換したところ、7000回転を上限の状態となりました、車台No17W-351***であり元々回転制御はなくデイトナ様のRリミッターは該当しませんでした、マフラー、キャブ、油量、エアクリーナー等色々試しましたが、結局速度計を新に純正品に戻したところ、1-2-3速迄9000回転から10000回転迄上がり、只今は6速センサー?なるものに悩んでいます、青白の配線が見つかりません

    1. sakai より:

      半田さま

      コメントいただき有難うございます。
      DT50、楽しいバイクですよね。

      フレーム番号からすると「54A前期」っぽいですが、DT50は色々な部品取り車からパーツを移植された個体が多いので、6速センサーの車体か、速度センサーの車体かの判別は困難ですよね。

      ぜひ、末永くDT50とのバイクライフを楽しんで下さい。

      酒井

      1. 半田 より:

        ご丁寧に 有り難うございました
        確かに 栃木のお店でも購入後 不調を訴えると 部品取り車両から簡単に ヘッドやらキャブレターを移植してくれました、これでダメならエンジン載せ替えるとも言ってくれました 出来の悪い子供のごとく 付き合おうと 思います

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