自動車業界の税務ポイント

第43回:カーポートの耐用年数は短縮できるってウソ?ホント?


カーポートの耐用年数は短縮できるって…

2つの耐用年数

中古車販売店の実務において避けて通ることのできない「減価償却」に関する処理ですが、耐用年数を何年にするかについて頭を悩ませたことがある方も多いと思います。

この耐用年数は大別すると2つの種類があり、1つはメーカーが定めた耐用年数で、交換や買い替えの目安となる年数です。

そして、もう1つが「法定耐用年数」と呼ばれる国税庁が定めた耐用年数で、決算・申告業務で減価償却を行う際に採用する年数です。

耐用年数表

減価償却資産を取得し、その資産の法定耐用年数を決める際には「耐用年数表」の項目を見ながら、該当するものを探すこととなります。

しかし、この耐用年数表というのがクセ者で、ドンピシャで該当する項目なんて殆ど見つからないのが実状なのです。

そこで、近しいものを探しながら耐用年数表と睨めっこを続けるのですが、最終的には「その他のもの」という項目に辿り着いてしまいます。

カーポートの悲劇

中古車販売店では、洗車や軽作業、そして雨の日にお客様に落ち着いて商品車を見ていただくためのスペースとして、展示場の片隅に大きめのカーポートを設置することが多いと思います。

それでは、このカーポートの法定耐用年数は何年になるのか、耐用年数表を見ていくと「構築物→金属造→その他のもの」と、やはり「その他のもの」に辿り着いてしまい、その法定耐用年数は何と「45年」となります。

露天式立体駐車設備

カーポートの規模にもよりますが、耐用年数が45年というのは流石に実態との乖離が多きすぎます。

このような場合には、税務署の確認を受けることにより、耐用年数表に記載されている項目の中から、構造・用途と使用状況が類似している項目の耐用年数を適用することができます。

具体的には、耐用年数表の「構築物→金属造→露天式立体駐車設備」の「15年」の適用が認められます。

なお、税務署の確認は事前に受けることが望ましいですが、税務調査のときであっても認められるケースもあるため、詳細は顧問税理士にご確認下さい。

コラム説明

この記事は、自動車流通新聞(グーネット自動車流通)さんで連載しているコラムの内容を転載したものです。

自動車販売店の経営者や実務担当者が抱く経営・経理・税金に関する様々な疑問について、自動車業界専門の税理士が解説しておりますので、他のコラムをご覧になりたい方は、下記URLより一覧でご確認頂けます。

中古車販売店「経営実務」のウソ?ホント?
http://www.mn-tax.jp/garage/goonet

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