DT50レストア大作戦

第20回:DT50 ステムベアリング交換<後編>


◆-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-◆

サクっと読みたい方は、ぜひ下記リンクから「総集編」をご覧ください。

 

◆-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-◆

 

ステムベアリング交換作業の続きです。

前編では、フロント回りをバラしてアンダーブラケット(三又)まで外れたところで、特殊工具の紹介をさせて頂きました。

その特殊工具を駆使して古いベアリングレースを打ち抜いた後は、ステム回りの古いグリスなどを拭き取ってクリーニングしていきます。

ステム清掃後

かなりキレイになりましたね。

ここに、新しいベアリングレースを嵌め込むのですが、この作業がステムベアリング交換作業の中で最も重要なポイントとなります。

まず、サイズの合うインストーラーをベアリングレースにあてがい、シャフトを軸にしてナットを締めていきます。

こうすることによってベアリングレースに平行な力を加えることができるため、フレームに対して垂直にベアリングレースを圧入することが出来る訳です。

しかし、これだけでは単にベアリングレースが真っ直ぐに圧入されたに過ぎず、フレームとベアリングレースが「完全に密着している」とは言えないため、最終的な仕上工程として、叩く作業によって、フレームとベアリングレースを完全密着させる必要があります。

この完全に密着しているか否かの判断は「音」で行うそうで、フレームとベアリングレースが完全に密着すると、打音が変わるとのこと。

「軟質的な響かない音から硬質的な打音に変化するポイントを聞き分ける」

と、言葉で言ってしまえば簡単そうですが、経験が必要な作業ですね。

なお、座面(フレーム)に対して、対象物(ベアリングレース)が全面に当たっている状態のことを「座が出る」というそうですが、ここでは「完全に密着している(英語のFITに近い意味)」という表現を使用させて頂きました。

ボールレース打ち

そして、たっぷりのグリスとボールベアリングをセットして、ステムナットを締め付けて組み上げていきます。

グリス&ボール固定

この締め加減によって、ステムベアリングの動きが変わってくるので、ステムベアリング交換作業の中で重要度の高い作業のひとつですね。

組み上げ後

それにしても、なんだか形になってきましたね!笑

後は、フロント回りをもう少し点検して、ドライブチェーン、タイヤ、エアクリーナーエレメント、バッテリーといった消耗品の交換と、電装関係のチェックを済ませたら、いよいよ試走です!

お楽しみに♪(というより、私が楽しみです!笑)

スポンサーリンク

コメントを残す

*

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)